志学の方言 |
| 方言 | 方言の意味 | 出雲の方言 |
ア | オ | アイマイグチ | 甘いものを食べる間食のこと。 | |
アシナゴ | アシナガのこと。ぞうりの一種。志学では、ガをゴと言うことが多い。 | |
イガイガスル | 風邪のため、のどが痛むこと。 | |
イッケ | 親類のこと。家系のこと。一門、親族のこと。 栄花物語に「この大納言殿、入道殿とは、いっけにてむつまじき御中ぞかし」とある。 | |
イビラレル | せきたてられること。 イビルとは、ゆっくり表面に表わさないで苦しめること。 | |
ウズナイ | 難儀すること | |
オトドイ | 兄弟のこと。「オトト」は弟のこと「イ」は兄のこと。 十訓抄(じっきんしょう、じっくんしょう:鎌倉中期の説話集)に 「おとといにて、家綱、行綱といふ陪従あり」とある。 | オトデ |
オリアイマシテ | 上手くまとまること。つきあいがいいこと。 | |
オワイツケル | 追うこと。追いかけること。 | ボウ、ボイチャゲル |
カ | コ | カザクル | のぼせること。のぼせて粗暴なふるまいをすること。 | |
カゴム | かがむこと。使用例:カゴンダ、カゴンドッタラ、カゴムナ | |
ゲ(家) | 人名または人称の代名詞の後につけ、建物ではなく、家庭の意味として使う。 使用例:ボクゲ(僕家)、ウチゲ、○○さんゲ | |
ゴセ、ゴサン | してほしいという希望の意味を表す。 万葉集一四三七に 「霞立つ春日の里の梅の花、生の嵐に散りコスなゆめ」と あり、散らないでくれという意味。 また、ものがほしいときにも「ゴセ」(ほしい)という。 | |
コットイ | 牡牛のこと。強健で多くの荷を負うことのできる雄牛のこと。 | コッテ |
コバンゲ | 夕方7時頃までをいう。 ゲは飯のことで、夕ごはん頃という意味。 | |
サ | ソ | サデカキ | 竹を二つに割り、その端をさらにいくつかに割って爪のように 曲げたもの。松葉のことをサデという。 | ガンギ。松葉のことを コデという。 |
サデマクレル | すごい勢いで、転ぶこと。「マクレル」=転ぶ | |
サボス | 乱雑にしていること。 | 出雲でのサボスは、濡れたものを広げて乾燥させること。 |
ジゲ | 近所のこと。 「地下」とは氏子の住んでいる所という意味。 | |
シュワイ | 苦しいこと。ほねのおれること。 | エライ |
ズスナイ | 体の調子が悪いこと。 | |
スッポカス | そそのかすこと。 | |
スンドリ | 竹で編んだ箕(み)のこと。手箕(てみ)ともいう。ちりとりの大型版。 | ハナキリ。ハナキリゾウキ。 |
ソオトメ | 田植えをする時に頼む女性のこと。 | |
ソソネ | うたた寝のこと。 | |
ソバエル | じゃれつくこと。 | |
タ | ト | ダットル | 垂れ下がっていること。 | |
タマゲル | おどろく。びっくりする。「魂消る」と書き、肝をつぶす。びくびくすること。 | |
チバケル | 急ぐこと。あわてること。 | |
ツジンコ | 先のほうのこと。 | |
トギ | 同志、仲間、つれのこと。 古語のトギは、伽のことで、夜などつれづれの折り話しの相手をして、慰めることをいう。 参考:「お伽話し」「お伽草子」 | ドシ |
ナ | ノ | ナス | 返す、返却すること。 上山地区で多く使われる。「済す」と書き、義務を果たす、残らず支払う。完納すること。近松の歌舞伎「王生」に「四貫匁の借銭は、おれが なして てやらふ」とある。 | モドス |
ナダラ | 「稲はで」「稲木」のこと。 | ハデ |
ネンブコ | 「めだか」のこと。 | ネンパ、メンパ |
ハ | ホ | ハブテル | ふくれること。 「ハ」は、接頭語。「不貞る(フテル)」は、命令に従わない。不平不満な態度のこと。 | |
ヒカンバチル | 乾燥すること。 | ヒカラビル |
ヒトカタキ | 一回ご飯を食べること。また転じて、働くことにも使われる。 食べるために働くという意味にも使われる。「ヒト」は1回という意味。 | |
ビビル | 焼けて縮まるようすのこと。 | |
ヘイサノブリ | 久しぶりの意味。 ヘイサナブリ、ヒイサブリともいう。 | |
ベチンコ | 仔牛のこと。 | |
ホコヲフル | 腹を立てること。 | |
マ | モ | モグレテイル | こみあっていること。 | |
ヤ | ヨ | ヤッパリ | 何度もという意味。 例「ヤッパリ同じこと、するな」 | |
ヤド | 家のこと。 例「ぼくのヤドこいや」。ヤドをエとかウチともいう。 万葉集四八八に「君待つとわが恋ひをれば、わがやどの、すだれ動かし、秋の風吹く」。このヤドも、家、住居、自宅の意である。 | |